Lean と DevOps の科学 Accelerate
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読書開始 : 2019-10-07
読書終了 : 2019-10-23
本書の目的 : 研究結果を共有することで、組織がより高品質なソフトウェアをより迅速にデリバリできるようにすること、より健全なチームを育成して他者の追随を許さない存在に成長することを支援すること、そして組織全体とその構成員の幸福と繁栄の後押しをすること 本書は素晴らしいものではあるが、読むうえで注意を要する点もある :
確証バイアスではないか? というのはある (あくまで現時点では) 本書が対象にしているのは、ソフトウェア開発のうちデリバリに限られている (コミットから本番稼働まで)
技術変革を 「学びを重視する組織の育成」 ではなくてプログラムの一種とみなしてしまったというような落とし穴
首脳陣の支援の重要性。 最高幹部は学びを重視する姿勢を前面に打ち出して模範行動を率先して取る必要がある
1 部 調査結果から見えてきたもの
1 章 業務を加速させるということ
2 章 開発組織のパフォーマンスを測定
「ソフトウェアデリバリのパフォーマンスは組織全体の業績に重要な影響を及ぼす」 という事実は、自組織の事業にとって戦略上重要なソフトウェアの開発能力を自組織の中核的要素として位置付けずに外部委託することへの強力な反証となる。
ソフトウェアデリバリのパフォーマンスを計測できる尺度が持つべき 2 つの特徴
グローバルな成果に焦点を当て、チーム同士の競争や対立といった状況を防ぐ機能
生産量ではなく成果に焦点を当てる
組織レベルの目標達成に役立たない 「忙しいが価値のない見せかけの作業」 をやめるべき
3 章 組織文化のモデル化と測定、改善の方法
文化 (カルチャー) は重要だが、形のないものなので定義やモデルが様々 本書では、明確に定義され、有効に測定でき、予測効果を発揮できるモデルとして Ron Westrum が定義したモデルを採用 4 章 技術的プラクティス
5 章 アーキテクチャのキーポイント
重要なのは、デプロイとテストの容易性 (これらを実現しているチームはハイパフォーマーである可能性が高かった) これらの特性を持たせるには、システムが疎結合である必要 2017 年の調査では、担当チームが他チームへの依存なしにテスト・デプロイ・変更を行えることが重要だとわかった
6 章 デリバリライフサイクルに情報セキュリティを組み込む
DevOps という言葉にはテストや製品管理やセキュリティが含まれていないが、それらの考慮も必要 特にセキュリティ
7 章 ソフトウェア管理のプラクティス
8 章 製品開発のプラクティス
9 章 作業を持続可能にする
10 章 従業員の満足度、アイデンティティ、コミットメント
11 章 変革型リーダーシップとマネジメントの役割
2 部 調査・分析方法
第 1 部の研究結果を出すための調査や分析の方法について
3 部 改善努力の実際
構成
トライブを構成する、自律的に業務を遂行するスクワッド IT 関連のスクワッドであれば、IT 分野のリードが主導 専門人材センターもある
「文化をどう変革するか?」 ではなく 「どのように学ぶか? どう確立すればよいか?」 を考えるべき